一等地を公園にする英断
グラングリーン大阪
一等地を公園にする英断
グラングリーン大阪は巨大な都市公園を擁する複合商業施設です。JR大阪駅前の超一等地をあえて公園にしたのは英断だったと思います。
グラングリーン大阪の概要
グラングリーン大阪はJR大阪の北側に位置する複合型商業施設です。北館と南館があり、北館は2024年9月、南館は2025年3月にそれぞれ開業しました。
大阪駅前再開発の概要
JR大阪駅はいわゆる「梅田」と呼ばれるエリアの真ん中に位置する主要ターミナル駅です。この駅の北側にはかつて貨物ヤードがありましたが、貨物ヤード移転を契機に再開発されることになりました。再開発が始まるまで、国内で最後の一等地と呼ばれていました。
グランフロントとグラングリーン
旧貨物ヤードエリアのうち、東側1/3のエリアだけが2013年に『グランフロント大阪』として先行開業しました。西側の残り2/3のエリアが今回開業した『グラングリーン大阪』です。
うめきた公園
グラングリーン大阪の北館と南館の間に位置する巨大な都市公園が『うめきた公園』です。当記事のテーマにしたいのは、この公園です。私の主観ですが、この公園自体の名称も「グラングリーン」という呼称で定着しそうな気がしています。
言葉で説明するよりも写真をご覧ください。2025年3月時点では公園の一部がまだ工事中なのと季節柄もあって、緑豊かと表現するにはまだ早いです。けれども、巨大な高層ビルに囲まれた、都会のオアシスという感じはしますよね。外国人観光客に有名な梅田スカイビルも見えます。
特筆すべきなのは、この公園が梅田という巨大ターミナル駅の駅前にあるということです。国内の主要ターミナル駅の駅前で、ここまで広い公園が造成された例は他に無いのではないでしょうか。


グランフロント大阪
うめきた公園から東を望めば、2013年に先行開業したグランフロント大阪のビル群が見えます。開業当初から大きくて綺麗なビルではあるものの、再開発ビルにありがちな殺風景さは否めませんでした。しかし西隣に大きな公園ができたことで、映える風景に様変わりしましたね。




一等地を公園にしたのは英断
ここからが本題で、この場所に巨大公園を建設したのは英断だったと思います。
緑が少ないイメージからの脱却
東京には都心のど真ん中にも広い公園がたくさんあります。これは東京を世界最大のビジネス都市へと押し上げた要因の一つです。大企業や外資企業のエリートは緑が多い街に居住したがるものです。彼らは広い公園でジョギングするのが大好きです。
一方で、大阪はまだまだ緑の少ない街というイメージがあります。大阪城公園や長居公園がありますが、中心市街地からは少し離れています。梅田や難波には、公園と呼べるほどの広い公園がありませんでした。
しかし今回、梅田の駅前に巨大な公園が生まれたことで、様相が変わってきました。もちろん、まだまだ振り出しに過ぎず、この流れを他の主要駅にも波及させることが必須です。大阪が観光だけでなくビジネスで世界に躍り出るには、市内全ての主要駅の駅前に、このスケールの都市公園を造成すべきだと考えています。
災害時の避難場所になる
常々思うのですが、ビルや交通インフラの公共事業は悪者にされがちなのに、災害対策と銘打てば正当化される風潮があると思いませんか? 世の中そんなもんだと言ってしまえばそれまでなんですけどね。
とにかく、災害時の避難場所として大きな公園があったほうが良いことは言うまでもありませんね。あと、大阪市内は水害リスクの高い地域が多いことも忘れてはいけません。
人の流れが良くなる
かつて、公園ではなく巨大スタジアムを建設する案もありました。とんでもない話です。心底、採用されなくて良かったと思います。
なぜなら、一時的に大勢の人を収容するような施設は駅から近過ぎてはいけないのです。少し想像してみればわかります。試合を見に行く人の行列が駅のホームまで続き、身動き取れなくなっているような光景が浮かんできませんか?
駅の隣接エリアを敢えて広い公園にして、ビル群はそこから適度な距離の同心円状に配置することで、人の流れはよりスムーズになります。
視界が広くなる
駅の正面が巨大公園なので、その先の梅田スカイビルを始めとするビル群の全容が視界に入ります。もし巨大公園ではなく巨大ビルができていれば、そのビルだけが視界に入り、他のビル群が隠れてしまいます。
人間は自分の視界に入ることで初めて、そこに行ってみたいと感じるものです。視界が広がることは人の流れが広がること、すなわち街が広がることに直結します。
駅なんて、例えるなら玄関口です。玄関口付近に何もかも詰め込みすぎれば、奥座敷へ行く気もしなくなります。それと同じことです。
総括
上記の内容は当たり前といえば当たり前のことかもしれません。けれども、逆説的に見れば、なぜ今まで他のどの街もそういう開発をしてこなかったんだと問いたくなります。その問いに対する答えを一言で述べるなれば、利己主義の結果だと思います。
駅前の一等地があれば、我先にと、少しでも駅の近くに商業施設を建造して儲けたくなるものです。でも、敢えてそれをグッと我慢し、最も効率的かつ公共性の高い利用方法を皆で話合って決めたほうが、結果として皆が得をするのです。
今回の開発はその好例と呼べるのではないでしょうか。行政の決断と官民の協力に対して、敬意を表したいです。他の街もこれに倣ってほしいものです。
グラングリーン・うめきた公園の完成形が楽しみです。定期的に親サイトのほうにも訪問記事をUPしていければと思います。