神戸空港の国際化に対する期待

神戸空港の国際化に対する期待

神戸空港に初の国際線が就航しました(2025年4月18日)。それと当時に第2ターミナルもオープンし、2006年の開港以来、一つの節目を迎えました。

神戸空港とは

第3の空港?

神戸空港(愛称:マリンエア)は大阪空港(伊丹空港)、関西国際空港(関空)に次ぐ、京阪神都市圏3番目の空港として2006年に開港した空港です。

よく「関西3空港」などと表現されますが、私はこの表現に異議ありです。

但馬空港や南紀白浜空港は関西の空港ちゃうんかい(泣)

神戸の中心市街から近い

神戸空港の特徴としては、海上空港でありながら中心市街地から直線距離が近いという点です。中心市街地である三宮駅から『ポートライナー』という鉄道が20分弱で結んでおり、アクセスはかなり優れていると言えます。

え、福岡空港? あれは最早チート(笑)

コンパクトな空港

神戸空港のもう一つの特徴として、コンパクトな空港であるということです。滑走路が2,500mでターミナルビルは1つ…という表現ではピンと来ないかもしれません。要するに「地方県庁所在地の空港にありがちな規模感」です。

小さいとキャパシティには劣りますが、そのぶん使い勝手には優れています。しかもポートライナーの改札から搭乗ゲートが目と鼻の先ですから、迷う方が逆に難しいです。

ベスト10入り目前?

開港前は「関西に3つも空港いらない」「誰が使うんだ」「無駄な公共事業」などと散々に叩かれていました。

確かに利用者数において伊丹や関空には程遠いですが、国内全空港のランキングで見れば11位(2023年度実績)と健闘しています。しかもその数はコロナ禍前より増加傾向にあります。国際線が就航する以前からそうだったので、国際線ができればベスト10入り確実なのではないでしょうか?

就航都市(国内線)

2024年末時点での国内線就航都市は北から順に札幌(新千歳)、青森、岩手(花巻)、仙台、茨城、東京(羽田)、松本、長崎、鹿児島、沖縄(那覇)、宮古島です。まずまずの充実ぶりと言えるでしょう。

祝!国際線就航

就航都市(国際線)

さて、前置きが長くなりましたが、国際線就航の話をしましょう。今回就航したのはソウル(仁川)、台北(桃園)、台中、上海、南京の5都市を結ぶチャーター便です。ソウルや台北は結構どこの空港からも飛んでますが、台中とか南京はなかなかニッチですね。

国内外の就航都市を地図上にプロットしてみました。

こうして見ると、国際線と言いつつ距離的には国内線と変わらないですね。でも、それで良いと思います。東アジアの近距離路線に強みのある空港として、関空とは棲み分けるのが理想です

ところで「チャーター便」とありますが、ニュース記事等を読む限りだと「限りなく定期便に近い臨時便」くらいのニュアンスで捉えて良さそうです。あえて「定期便」と銘打たないのは大人の事情的なものだったり、万博による臨時需要などを加味してということなのだろうと思います。

↑かなりテキトーなことを書いてますので正確なことをご存知の方は教えてください。

国際線就航のメリット

神戸空港に国際線が就航することによって誰がどのようなメリットを享受できるか、素人の思いつきで恐縮ですが述べさせていただきます。

大阪湾を半周しなくて良い

やはり第一に、神戸以西に住む人たちにとっての利便性ですね。兵庫県内だけでなく、徳島や岡山、鳥取あたりも含めてです。空港へ行くまでの労力や費用だけでなく、空港に着いてからの所要時間や駐車料金においても伊丹や関空より優位性があります。

神戸にもインバウンドを

そして第二に、神戸市内へのインバウンド客の取り込みです。京都や大阪がオーバーツーリズムに喘ぐ一方、神戸は置いてけぼりを食らっています。

外国人にとって神戸が観光地として魅力あるかは意見が分かれるところです。けれども、インバウンドが少ない最大の理由は関空と京都・奈良の位置関係によるものだと思います。関空から見て京都や奈良の反対側にある神戸にまで、わざわざ足が向かないのです。行くとすれば、神戸をスルーして姫路城を見に行くパターンが多いです。

しかし、神戸空港から出入国できるようになれば話は別です。神戸自体が旅行の最終目的地でなくても、宿泊するついでに神戸で時間を潰す価値は十分にあります

また、インバウンドを誘導することは神戸にとって企業誘致(特に外資系)の弾みになります。市内に国際空港があることと外国人が多いことは国際都市としての印象をより強固なものにします。たかが印象、されど印象です。

リスク分散

第3のメリットはリスク分散です。2018年の強烈な台風が記憶に新しい人も多いでしょう。まあ、自然災害であれば関空も神戸空港も同時に被害を被る可能性が高いんですけどね。それでも、国際線を就航できる空港が複数あるに越したことはありません。

複数あることで需要を奪い合い共倒れするデメリットを懸念する意見もあるでしょう。しかし、現在では関空・伊丹と神戸空港は同じ『関西エアポート株式会社』が運営・管理している為、その心配はありません。それに、何でもかんでも1つの空港に集約してハブを目指すという考え方は時代遅れに思えます。むしろ、それぞれの空港が特色を生かしつつ共存共栄を目指すべきでしょう。

あと、ありがちな誤解ですが、初めから関空を神戸沖に造ればよかった的な意見も散見されます。しかし、地形の制約や船舶航路の関係でそれは不可能と思われます。

神戸空港の国際線ターミナル

さて、新たに開業した第2ターミナルを少しだけ紹介します。既存の国内線は第1ターミナル、今回就航した国際線は全て第2ターミナルから出発します。

第1ターミナルからすぐ

第1ターミナルの出入口から第2ターミナルの出入口まで200mちょいです。なので普通に歩いて行けますが、無料の循環バスに乗っていくことも可能です。あと、循環バスは関空行き高速船ターミナル前にも停まります。

第2ターミナルビル内部

実際に第2ターミナルビルの中へ入ってみましょう。

おおおーーー広くて綺麗!

事前情報ゼロだったので、入る前はてっきりプレハブの寒々しい建物だと思い込んでいました。ところがどっこい、和と洋が調和した今風なデザインで、しかも開放感があります。ここなら、待ち時間が苦にならないでしょう。

国内線の出発口もあります。おそらく現時点では使用されていないでしょうが、国内線の増加を見越してのことだと思われます。

課題と展望

課題

さて、ここまで神戸空港をヨイショしてきましたが、ひとつ大きな問題があります。すでにSNSやローカルニュースでも報道されている「ポートライナー激混み問題」です。

たしかに、ポートライナーは三宮と神戸空港を20分足らず(日中5-10分間隔)で結んでくれる便利な鉄道です。しかし近年、沿線に企業や大学が進出し、利用者が急増しました。それ自体は喜ばしいことなのですが、車両が小型であることに加え、駅構造の問題で増結が難しいことから、深刻な混雑に見舞われています。大きなスーツケースを抱えた旅行客がたくさん乗り込めば、混雑に拍車をかけることは自明の理です。

私は個人的に、地下鉄海岸線をポートアイランド東部経由で延伸するのが良いと思っています。まあでも、そんな実現性不透明な話は別の機会にしましょう。

それよりも、ひとまずはバスを至急、増発すべきだと思いました。今でも最低1時間に1本は三宮行きのバスが出ているようです。でも、思ったより少ないというのが正直な印象です。増発だけでなく、導線も重要です。ポートライナー側もこういう場合は臨機応変、バスにどんどん塩を送りましょう!

展望

就航都市に関しては、国内線・国際線ともにまだ増やせる余地はあると思います。国際線は釜山、高雄や香港のほか、中国沿海部の大都市です。

しかし、それを実現するにはまず、先の課題を解消することが不可欠です。

散々無駄だと叩かれて開業した空港が着実に成長しつつあることは喜ばしいです。これからも安全第一に、さらなる飛躍を遂げていってほしいものです。

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